2022年6月30日木曜日

DeskMeet B660に関するあれこれ


 2022/6/24にASRockが発売した、mini-ITX(正確にはDeep mini-ITX)サイズの
小型ベアボーン、DeskMeet B660を買いました。
最初は興味なかったんですが、mini-ITXサイズでDIMMのメモリスロット4本、
最大128GBメモリが載り、ビデオカード用にPCIeスロットもあるとなると
なんとなく購買意欲が湧いてきて買ってしまった次第です。

 ここでは性能とかではなく、ここってどうやねん?という点だけ触れたいと思います。
仕様についてはメーカーサイトを見て頂いた方が確実です。

ASRock DeskMeet B660 Series

Supports 12th Gen Intel Core™ プロセッサーs (LGA1700)
最大高さ ≦ 54mm の CPU クーラーに対応
最大 128GB の 4 x DDR4-3200MHz DIMM に対応
1 x PCIe 4.0 x16
グラフィック出力オプション:DisplayPort, HDMI & D-Sub
3 x SATA3
1 x Hyper M.2 (PCIe Gen4 x4 & SATA3), 1 x Hyper M.2 (PCIe Gen4 x4)
1 x USB 3.2 Gen1 Type-C ポート
4 x USB 3.2 Gen1 Type-A ポート (フロント 2、リア 2)
4 x USB 2.0 Type-A ポート (フロント 2、リア 2)
1 x Wi-Fi 用 M.2 Key-E
500W 電源 (80+ Bronze)
8 リットルコンパクトサイズ


[目次]



1.ケースファンとPCIeスロットの関係

 DeskMeet B660は、12cmのケースファンを1つだけ取り付けられます。
実際は3.5インチストレージ、または2.5インチストレージや
12cmサイズの簡易水冷と排他になるんですが、
筆者は[これらを使う人そんなおらんやろ……]と考える派です(いるとは思う)。

ケースファンやラジエーターは上部に入る(縦置き時)

 説明書には、『ファンを入れるとビデオカード入らんで』と書いてありますが、
ファンを入れるとPCIeスロットとどれくらい干渉するのか確認してみました。
手元にある適当なPCIeカードが、U.2 SSDのアダプターしかなかったので参考程度です。


 1スロットのカードなら、ものは選びますが入ります。
 ただし、今回入れたカードでは15mm程度しかクリアランスがありませんでした。
2スロットのビデオカードは当然アウトですが(2スロット目にファンが干渉する)、
1スロットのビデオカードでも正直厳しいでしょう。

 その代わり、25mm厚のファンをやめて15mm厚にすれば+10mmの余裕ができます。
入れたい手持ちのカードがどんな形状かによりますが、
必要な場合は15mm厚ファンの方が余裕ができていいかもしれません。


2.電源交換について

※あまりおすすめしません。カネのムダ遣いになる上、性能を損なう可能性があるのでやめましょう。

 DeskMeet B660には、標準で500WのATX電源が入っています。
中身はCWT製のGPT500S-Aで、BTOパソコンでもよく使われていますが
DeskMeet用にカスタマイズされており、以下の特徴があります。

・内部ケーブルが短い
 小さいケース向けにケーブルが短くなっていて、数も最小限。

※ツイートではケーブル根元からコネクター根元って書いてますが、コネクター先端の誤りです

・ファンが吸気
 通常、電源ユニット内のファンは排気していますが、
これは吸気しています。

上と後ろ(電源)から吸気してるというデザイン


 電源の奥行きは140mmで、サイズ的には普通のATX電源ですから
好きな電源に交換したくなるのがおたくの常ですが、
上のような問題があるので考えないといけません。それぞれ見ていきます。

[内部ケーブルの長さについて]
 普通の電源ユニットは、内部のケーブルがそれなりの長さになっているため
DeskMeetに使うにはケーブルが長すぎます。
納めるのはまあなんとかなりますが、できれば小さいケースにあった
短いケーブルが欲しいところ。

 これについては、フルプラグインの電源ユニットを選び
Cablemodのようなカスタムケーブルを作ってくれる所に頼めば
一応解決できます。ただし電源ユニットと同程度のお金がかかる。


[ファンの扱いについて]
 これも、電源を分解してファンの向きを変える(吸気にする)ことで
一応解決できます。
ただし、通常の電源ユニットはファンを排気で動かす事を前提にしていますし
電源を分解すれば保証もなくなります。

 さらに言えば、DeskMeetは(恐らく)通常の電源を使う前提で
設計しているでしょうから、
電源を交換することで電源のファン速度、風量が変わり
筐体に給気される風量も変わることで、通常の性能が出せなくなる
可能性も当然あります。
また筐体サイズの問題上、大容量の電源ユニットを入れても
それを生かせるデバイスが追加できるわけでもありません。
ということを考えると、大人しく標準の電源のまま使った方が明らかにお得です。

 でも筆者はSeasonicのFocus GX 750Wを買ってしまいました。アホだな。
初期不良保証しかないけど、新品が安かったので仕方ないのです。
ケーブルも短いやつを作ってもらえばヨシ!の精神です。


筆者はSeasonicを信じる人です

とりあえず標準ケーブルを使った。
ケーブルの処理は難しくはない



買ったのはこちらの店です。他にも安価なSeasonicの電源が
あったりするので見てみたい方はどうぞ。
 ところで、電源によってはケースと干渉することがあるので注意しましょう
(以下の写真参照)。
筆者のFocus GXもケースと干渉して、ねじが2つしか留められませんでした。
使うには影響ないんですが。ちゃんと留めたい方は、ケース側の干渉する部分を
ペンチとかで少し曲げるといけるようになります。


矢印部分がケースと干渉するので
ネジが二箇所しか固定できない

 あと、上の写真をみて気づいた人もいると思いますが
SFX電源を入れることもできます。実際Twitterで入れてる人を見たな。
注意点はATX電源と同じです。

3.筆者の構成とおすすめアイテム

 筆者は以下の構成で作りました。一部余り物を流用している面もある。



 DeskMiniと違い、CPUクーラーが高さ54mmまで使えるため
選択肢が増えました。しかし、定番であるNoctuaのNH-L9i(LGA17xx用)と
Noctuaの9cmファンの組み合わせは鉄板だと思います。高いけど。

USBポートも背面に追加してましたが、使う機会がなさそうなので撤去。

 無線LANはIntel純正のAX200(リテール品)ですが、普通に使えます。
PCIeスロット部にアンテナをそのまま付けてもいいし、
ブラケットからアンテナを分解して取り付けてもいいです。
ただしアンテナケーブルが長いので処理がめんどくさい。

 なお、正規のアンテナ取り付け部分は丸い鉄板でカバーされてるので
外側からドライバー等で押して鉄板を外しましょう。
最初わからなくてウンウン唸ってた。


あとは細かいけど、これがあると使い勝手がよくなるという感じのものです。

・ゴム足
ゴム足は標準でついてますが、アイネックスの大きいゴム足を使うと
高さが稼げるので、
底面にあるケース用ねじをハンドルねじに交換できます。
あと、底面の通気口を塞がなくてすむのも少しよい。


・ハンドルねじ(インチ)
上に関連します。DeskMiniの時もお世話になりました。

・細い電源ケーブル
700Wまでしか使えませんが、そんなに消費電力を使わないので問題なし。
取り回しが大変楽になります。短いのもある。


4.誰向けなのか


  なるべく小さいサイズの筐体で、
・mini-ITXでメモリを128GB積みたい。
・さらにビデオカードを入れたい(その他PCIeのカードでもよい)。
・性能は追求しない。
 という人向けです。

 昨今のmini-ITXケースのように、小型で高性能を追求できるものではないので
そういうのを求めるなら不適格でしょう。
人によっては"中途半端な製品"とみることもできます。

 ただ条件に合えば、DeskMiniよりメモリがたくさん積め
mini-ITXとしては小型の筐体でストレージもなかなか搭載できるので
面白い製品ではあるかもしれません。


2022/07/01追記:電源ユニット用のカスタムプラグインケーブルを
Cablemodで注文しました。
24pinとEPS8Pinだけなのに電源ユニットと同程度の値段した。

 

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