2020年7月19日日曜日

メインPCを更改した話

何気に単体24コアは初めて

 少し前に、Ryzen 5 3500入りのサブPCを組み立てたという記事を出しました。
ではメインPCはどうか?という話ですが、今回はちょうどメインPCを更改したので
その話をしたいと思います。

 実はこれもnoteで先に公開していますが、今回はもう少し中身を詳しく書いています。


  1. はじめに
  2. マシンの構成
  3. パーツごとの所感
  4. まとめ

1.はじめに

以前のメインPC


 筆者のメインマシンは、少し前までThreadripper 1900Xが入ったものでした。
おおむね以下のようなものです。

  • CPU……Threadripper 1900X(8コア)
  • CPUクーラー……NH-U14S TR4-SP3+NF-A15
  • メモリ……Samsung純正 DDR4-2666(M378A4G43MB1-CTD) 32GB×4
  • マザーボード……ASRock X399 Taichi
  • ビデオカード……ELSA Geforce RTX 2080
  • ストレージ……Intel Optane 900p 280GB+USB接続のSSD(2TB+1.92TB)
  • 電源……Seasonic SS-1050XP3
  • ケース……Thermaltake Core W100+Noctua 14cmファン多数
  • OS……Windows 10 Pro

 おおむね不都合はありませんでしたが、Ryzen 5 3500 のサブPCと
CPU性能ではたいして差がないレベルまで来てしまったことと、
性能の陳腐化がこれ以上進む前に現代的なマシンにしたいという
理由、あと金銭的タイミングもあり、更改することにしました。

 更改にあたっては、やはりメインで使えるような性能を……と思い
以前から第三世代Threadripperを考えていました。Intelであれば
Cascade Lake(Core i9-10xxx)が相当すると思いますが、
CPUがとにかく品薄なこと、発熱が無視できないこと、性能面で
第三世代Threadripperに勝てる要素があまりないこともあり、
選択肢には入りませんでした。

なので今回は、
  • プラットフォームの更新による性能の向上
  • メモリ増強
  • ストレージも増強し、データ用に大き目の内蔵SSDを新設する
という目的をねらって、第三世代Threadripperを核にして更新することにしました。

2.マシンの構成

今回のメインPC。MicronのSSDが来る前に撮ったもの
あんま見栄え変わらんな……


 以下が、今回のマシン構成です。


  • CPU……Threadripper 3960X(24コア)
  • CPUクーラー……NH-U14S TR4-SP3+NF-A15
  • メモリ……Samsung純正 DDR4-2933(M378A4G43AB2-CVF) 32GB×8
  • マザーボード……ASUS PRIME TRX40-Pro
  • ビデオカード……ELSA Geforce RTX 2080
  • ストレージ……Intel Optane 905p 380GB+Micron 9200 MAX 3.2TB+
  • USB接続の1.92TB SSD
  • 電源……Seasonic SSR-1000GD
  • ケース……Thermaltake Core W100+Noctua 14cmファン多数
  • OS……Windows 10 Pro

 CPUクーラーとビデオカードとPCケース周り、それとOSは流用。
それ以外が新しく購入したものです。
筆者としては、とりあえず2年くらいは十分使える構成と思っています。
 続けて、パーツごとに選択した理由や所感を述べます。

3.パーツごとの所感

[CPU]


並行輸入品だけど日本で保証も受けられる

 第3世代Threadripperは24、32、64コアとあり、もっとも下の24コアを選択。
購入金額は約16万円で、これは米国のB&Hから輸入したものです。
理由は2万円ほど安かったからですが、タイミングの問題か到着が遅くなったうえに、
運送会社であるDHLの手違いで、最初は消費税等を二重払いさせられるところでした
(購入時に消費税や手数料を先払いできた)。
 最初は32コア(Threadripper 3970X)にしようと思いましたが、
8コア増えるだけで3960Xより価格が約5~7万円(国内で25万~、個人輸入で22万~)
上がること、そこまでのコア数を必要としないこと、さらに通常時のクロックは
3960Xの方がわずかに高かったのでそちらに。64コアの3990Xは、
高すぎる価格や実用面で選ぶ余地がありませんでした。

 ところで、24コアよりさらに安価なRyzen 9 3950X(16コア)も
視野に入ってくると思います。なぜ選ばなかったかというと、単純にチップセットの
足回り(メモリ搭載量、PCIeレーン数)の差。プラットフォームの差は大きい。



[CPUクーラー]


ファンをひとつ追加して2連に


 以前の構成から移植。24コアのCPUを空冷で冷やせるのかという話ですが、
オーバークロックしなければ何とかなります。今の時期でも高負荷時で
80℃を超えますが、100℃まで達することはありません。





灰色のシート。いろんな意味で取り扱い注意

 なお、今回はシリコングリスは使わず、Thermal GrizzlyのCarbonautという
炭素繊維でできた薄いシートを代わりに使ってみました。ペラペラで破れやすく、
さらに導電性があるので取り扱い注意という感じですが、グリスのように汚れたりせず
再利用もでき、冷却性能も高いグリスよりは少し落ちる程度というレビューで、
定格3960Xと使う分には特に問題ありません。ただThreadripper用は
でかくなるため、4,000円くらいするのがつらい。




[メモリ]


積めるだけ積んだ結果

 サムスン純正の32GB×8枚で、TRX40の規格上MAXの256GB。
このうち4枚は昨年入手したもので、一時期理由があってDDR4-2666のものと
交換してもらっていましたが、最近その方のご厚意で再度手元に戻ってきたものです。
もう4枚は最近購入。2020年7月現在の相場的には8枚で14万程度しますが、
なんでもいいならDDR4-3200でも既に1枚1.5万程度(=8枚12万)で買える
世の中になっています。ただ、メモリチップメーカーの純正モジュールは
高くても安心。
なおこれを揃えた直後、米国のmemory.net
サムスン製のDDR4-3200定格で32GB(M378A4G43AB2-CWE)が販売開始されて
泣いた(日本ではCrucialがすでに出していたが、少し高い)。
そしてごく最近、日本でもアユートが同じものを扱い始めました


サムスン純正DDR4-3200 32GBモジュールを4枚1組にした
汎用デスクトップ向け128GBメモリキット。 

[マザーボード]


並行輸入品なので日本語マニュアルも保証もなし

VRM部のヒートシンクが巨大。効果はある

 TRX40チップセットのマザーボードはどれも比較的高価(おおむね4万円~)ですが、
これはその中でも安価なもの。AmazonでPC-Ideaというショップ(興隆商事という、
PCパーツ系では比較的老舗の会社がやっているところ)が扱う並行輸入品を
4万円半ばで購入しました。なぜこれを選んだかというと、
  • 価格が比較的安かった
  • ヒートシンクがついているM.2スロットが、両方とも22110サイズに対応していた
の2点が大きいところです。後者については、この後のSSDで関係してきます。
なお、後継品として電源周りを強化したPRIME TRX40-PRO Sという
モデルがありますが、64コアでも動かさない限りは必要なさそう。




[ビデオカード]


今のところ不具合もなく良好なカード

 これも手持ちのもの。もうすぐ次のRTX 3xxxシリーズが出てくるという話で、
これより上のモデルを買うタイミングではありませんでした。
性能面ではまったく不満のないレベル。

[ストレージ]


22110なのでちょっと長い。ようやく入れられた


 システム用にIntel Optane 905pのM.2版、データ格納用に別途Micronの
エンタープライズ向けストレージを購入。前者は米Amazonから輸入、
後者はebayで米国のセラーから購入しました。購入価格はそれぞれ6万円台半ばと
5万円後半と、容量の少ないOptaneの方が高い。

 Optane 905pは、ストレージにうるさいオタクなら大抵持っている
(筆者の狭い視野調べ)シリーズのもので、普通のSSDと違いNANDフラッシュではなく
3D Xpointメモリを採用。レイテンシが非常に小さく、書き込み耐性は
380GBモデルで6.93PBという途方もないレベル。さらに動作負荷が非常に高くても

性能の落ち込みがほとんどないというインチキな性能を誇ります。
元のメインPCにもひとつ前の900pが入っており、性能は同等。
今回はM.2にしたかったため買い換えました。
 なおこのSSDには以下のような問題もあり、あまり一般には勧められません。

  1. 入手性が死ぬほど悪い(国内ではオリオスペックくらいしか売り手がいない)
  2. 価格が高い(普通のSSDなら4TBが買える)
  3. 体感レベルはそこそこハイエンドなNVMe SSDと同程度
  4. 普通より大きい22110サイズなので、マザーボードによっては装着できない
 とはいえ、自己満足度は最高。なおSSD側の話ではないですが、
マザーボードのヒートシンクも優秀で、ファンから風を当ててれば
通常温度は40℃台前半と低めに収まっています。




本体は金属で、それ自体がヒートシンクになっている

こういうカードでPCIeスロットへ追加


 Micron 9200 MAXはデータ入れのために購入。こちらはMicronが出している
エンタープライズ向けSSDで、15mm厚の2.5インチモデル。
インターフェースはU.2と、対応マザーボード以外そのままでは接続できないため
今回はPCIeスロットに接続するアダプターを使って接続しています。
このSSDの主なメリットは、高い書き込み耐性(シーケンシャル書き込みのみで
29.8PB)で、
性能は重視していません。
 とはいえ、一般的なPCIe3.0接続のSSDとしては
十分順次読み書きは速く
(読み3.5GB/s、書き3.1GB/s)、ランダム性能も
それほど悪くありません
(4Kランダム読み84万IOPS、書き28.5万IOPS)。

ベンチマークの結果も悪くない

 完全に余談ですが、4TB前後のSSDを狙うならコンシューマー向けSSDだけでなく
こうしたエンタープライズ向けのSSDも大差ない値段で買える場合があります。
主にebayが狙い目で、中古もあるが未使用品(本当に未使用かは場合による)が
たまに定価より大幅に安かったりします。今回の9200 MAXも同様でした。
 エンタープライズ向けSSDは、一般的に額面のランダム書き込み性能が
コンシューマー向けより劣りますが、耐久性は高いのでデータ置き場に最適。
U.2接続のものが多いので接続方法を考える必要がありますが、環境さえ許せば
検討の余地はあるはず。






 なお、USB接続の1.92TB SSDは2019年にオリオスペックで投げ売りされていた
Micronのエンタープライズ向けSATA SSDであるMicron 5100 Pro。
これも比較的高耐久なのがいいですね。




[電源ユニット]


見つけた瞬間に即決した

 筆者はSeasonic信者なので、同社の電源ばかり買っています。
これは最近、ツクモが1万円台後半で投げ売りしていたので即購入。
普通なら倍の値段はしたと思う容量ですが、これくらいあれば
24コアフルロードしても余裕で収まるはず。
 SeasonicといえばOEMも多いことで知られていますが、
わざわざそういうのを買うより純正を買えば安心確実であり、
なにより長期間の交換保証があることが心強いものです(12年交換保証)。

[PCケース]


 これも使いまわし。既にディスコンになっていますが、あまりに巨大で
そのかわり自由度の高いケース。5インチベイを取っ払うと、E-ATXクラスの
マザーボードでも小さく見えるレベル。欠点は精度と剛性、あと巨大で持ちにくい。

[OS]


 将来的に10Gbps以上のNICを入れていく場合、本当はRDMAが使える
Pro for Workstationsが欲しいのですが、今はいらないのでPro。

[まとめ]


 今回は、とにかく入れたいパーツが財布の都合と折り合いがついて
大体収まったという感じ。
とはいえ、そこそこバランスの取れた構成になったかなと自画自賛しています。


 用途については……まあTwitterできればいいなという……
もちろん同人誌作ったりゲームしたり配信にも活躍してくれると信じますが。

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