2019年6月14日金曜日

外資系ブランド・超小型PC比較編 その3(Lenovo ThinkStation P330 Tiny)



 今年は外資系メーカーの小型PCを2つほど紹介してきましたが、
最後にレノボ製の小型PC……というか、小型ワークステーションPC・
ThinkStation P330 Tinyを購入したので紹介したいと思います。
以前購入したRyzen入り小型PC、ThinkCentre M715q Tinyと同じ大きさで
なんとロープロファイルのビデオカードを内蔵!した恐ろしい一品です。




[もくじ]


  1. レノボの小型PC
  2. ThinkStation P330 Tinyについて
  3. 写真
  4. 所感

1.レノボの小型PC

 レノボの小型PCは、すべてほぼ同じ大きさの筐体ですが
やはり複数のバリエーションがあります。
2019年6月現在、日本の直販サイトでカスタムして入手できるモノを
箇条書きしていくとこうなります。

・ThinkCentre(企業向けデスクトップPC)

 ・Intel CPUモデル
  • M630e Tiny……ノートパソコン向けCPU搭載モデル。
  • M710q Tiny……スタンダードモデル。ここからデスクトップ向けCPU搭載。
  • M920q Tiny……ハイエンドモデル。vPro対応、PCIeスロット内蔵。

 ・AMDモデル
  • M625q Tiny……AMDラインのローエンドモデル。
  • M715q Tiny……Ryzen搭載のスタンダードモデル。
日本で買えるThinkCentreだけで現在5ラインありますが、今回購入したのは
ThinkStation(企業向けワークステーションPC)。これは小型モデル1つのみで、
つまりそれがP330 Tinyにあたります。

2.ThinkStation P330 Tinyについて

 Thinkstation P330 Tinyは先に書いたとおり小型ワークステーションPCですが、
具体的にはM920q Tinyをベースにビデオカードを搭載したモデルといえます。
なので実際のハードウェア構成は、M920q Tinyとほとんど変わりませんが
スペックは以下のようになっています。

ThinkStation P330 Tiny ハード構成
CPUCore i3-8100T/i5-8500T/i7-8700T
チップセットIntel Q370
メモリDDR4-2666 SODIMM×2(最大32GB)
ストレージM.2 NVMe SSD×2
GPUQuadro P620/1000(PCIe3.0×8接続)
CPU内蔵(UHD グラフィックス 630)
WLANIntel Wireless-AC 8265/9560
OSWindows 10 Pro
電源アダプター135W
USBポートUSB3.1 Gen2×2
USB3.1 Gen1×4(内 Type-C×1)
映像出力(iGPU)DP1.2,HDMI1.4b
映像出力(Quadro)mini DisplayPort 1.4×4
寸法(縦置き時)高さ179mm×奥行182mm×厚み34.5mm

今回購入したのは以下のような構成の個体で、再生品という名目で価格は8.1万円程度。

構成
CPUCore i5-8500T(6コア、2.1GHz/3.5GHz)
メモリDDR4-2666 SODIMM 16GB(16GB×1) 
ストレージ256GB NVMe SSD(Samsung PM981)
GPUQuadro P1000/CPU内蔵(UHD グラフィックス 630)
WLANIntel Wireless-AC 8265
OSWindows 10 Pro
付属品ACアダプターのみ

到着した個体は背面の無線アンテナがもげてましたが、これは自分で交換しました。

3.写真

大きさは前に購入したThinkCentre M715q Tiny、また
hp EliteDesk 800G4 DMやDell OptiPlex 7060 Microとほとんど同じで、
しかしまあ、こんな大きさなのにビデオカードを入れてるとは思えないレベル。

 外観はm715q Tinyと非常によく似ていますが、前面にType-C端子があるなど
細かい違いもあります。

前面Type-CはUSB3.1 Gen1

圧倒的な画面出力端子の数。同時6画面OKです

排熱のためかメッシュ部分がある

メモリスロットとM.2は背面側にあり、
カバーが容易に開けられる

 内部は今までの小型PCと同様、ギッシリ詰まっていますが
なにせこの大きさにロープロファイルなビデオカードが入っているため
インパクトは一番でしょう。

ビデオカードは何とファンレス、
ヒートパイプで上部に熱を動かしCPUと一緒にファンで排熱

ビデオカード部分にズーム。L型アダプター経由で
ビデオカードが刺さってます

背面カバーを取ったところ。
メンテナンス性は非常にいいと思います

 ビデオカードはネジで筐体と固定されており、外すのは面倒ですが
CPUファンはやはり簡単に着脱可能。
そしてメモリやM.2 SSDは背面側にまとまっており、
M.2もプッシュピンで固定されているだけなので
交換はすべてドライバー不要なのがうれしいところ。
2.5インチストレージも残っていれば最高でしたが、これは
ビデオカードと排他になっているので仕方ありません。

 写真では両面に薄いヒートシンクの付いたメモリを入れていますが、
蓋を閉めるのがキツくなるので、場合によっては止めた方がよいかもしれない。

135Wとさすがに大きい

 ACアダプターは、さすがに出力が必要なので135Wタイプ。
とはいえ、DeskMini GTXみたいに200Wを超えることはなく
大きさもまだマシな方です。ケーブルはミッキータイプでした。


4.所感

実際に使ってみると、ファンがメチャクチャ静かです。
もちろん回っているのが分かる程度ですが、とてもビデオカードが入っているとは
思えない静かさです(主観的な表現をお許しください)。
CPU・GPU温度は、室温25℃前後でも通常使用なら高くても50℃台で収まっています。
とはいえM.2 SSDもビデオカードも、触ってみるとやはりそれなりに熱い。
部屋の空調等環境には気を遣いたいところです。

 ところでこのモデルも、hp EliteDesk 800G4 DMのように
BIOSで豊富な独自機能を持っているわけではありませんが、
ThinkPadやThinkCentreに親しんでいればすぐ慣れるでしょう。
高級機のため、Intel AMTにも当然対応しておりリモート管理も使えます。

 また、他のThinkCentreやThinkPadと同じように
OSのライセンスがシステムボードに書き込まれているタイプのため
もともと入っていたOSと同じエディションの場合、
クリーンインストールするとすぐライセンスが認証されていて便利ですね。

(購入について)
 購入経路ですが、レノボ直販で買うのもいいですが
安価に狙うならヤフオクで再生品が出るのを狙うか(今回の個体がそうでした)、
米Amazonあたりで米国向け量販店モデルが実は安かったりします。





 上のモデルはCore i5-8500T/メモリ16GB/SSD256GB/Quadro P620/
無線/Win10Pro/3年国際保証で、同じ構成を直販で組むより安いです。
送料・各種税金を考えても多少安く済むでしょう。

 ワークステーションとなるとやはり大きめの筐体をブン回したくなりますが、
限られた場所を生かしたい・小さい筐体にロマンを感じたいという人には
向いている一台ではないでしょうか。

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