2016年9月2日金曜日

2016年後半の目玉SSD・サムスン SM961シリーズを動かす(256GBレビュー)



あっというまに9月です。筆者は2日目からいきなり有給を取って山奥に来ました。
山奥でモバイルNUCは楽しいですね。

そんなことはさておき、今年の6月くらいから出回りだしたサムスンの最新SSD・
SM961シリーズの256GBを手に入れましたのでレビューしたいと思います。
既にレビューはあちこちで見かけますが、おさらい的なところも含めます。
世間ではPlextor・M8Peシリーズが大人気ですが、
あの製品が霞んでしまうパフォーマンスといってよいでしょう。


[SM961シリーズとは?]


サムスンが2016年3月ごろに発表した最新のSSDです。 
最初に出したNVMe SSDであるSM951・コンシューマー向けの950 PROを
第1世代と考えると、SM961は第2世代のNVMe SSDといえるのではないでしょうか。
(筆者が勝手に考えた話です

形状は今のところM.2 2280サイズのみ。容量は128・256・512GB、
そして1TBも加わりました。
実際のところ、1TB自体はPM951というSM951と同世代のシリーズで
既に実現していましたが、それを片面実装で実現したことがトピックといえます。
コントローラーは"Polaris"と名付けられた5コアの自社製。

気になる性能ですが、SM951と950 PROとの比較表を作りました。

インチキかと思えるくらいの性能向上
※SM961のランダムライト4K最大値が間違っていました
950 PROが出てから1年もたってませんが、ものすごい性能向上で
あることは一目瞭然でしょう。
もちろん、単純にこの性能が出るわけではありませんが。

なお、SM961の容量別に性能を表にするとこんな感じです。


128GB256GB512GB1TB
型番MZVPW128HEGMMZVPW256HEGLMZVKW512HMJPMZVKW1T0HMLH
順次読み込み3,100MB/s3,200MB/s
順次書き込み700MB/s1,400MB/s1,700MB/s1,800MB/s
4K読み込み330,000IOPS450,000IOPS
4K書き込み170,000IOPS280,000IOPS300,000IOPS400,000IOPS


最大のトピックとして、全モデルで最大読み込み3,000MB/sを超えてきました。
PCIe3.0×4の帯域は最大4GB/sのため、もうI/Fの限界が見えてきたことになりますね。
書き込みも速くなっており、256GBの時点で950 PRO(512GB)に匹敵しています。
4Kの読み書きIOPSも格段に進歩してます。

[ベンチマーク]


で、実際のベンチマークはこんな感じです。CrystalDiskMarkで
8スレッドでの計測。計測環境はNUC6i7KYKです。




比較として、950 PRO(512GB)を載せておきます。



NVMe SSDも容量が増えるほど性能が上がるわけですが、
SM961は256GBの時点で950 PRO(512GB)にほとんど勝っています。
特に4Kクエリ=32書き込みが2倍以上の差ですね。
順次リードが公称ほど出ていないのは環境か、既にOSが入っている
環境だからという理由も考えられますが、十分高速です。

もちろん、この手のベンチが一般的な使用用途とあまり関係ないことは
承知の上ですが、512GBや更に高速な1TBの場合はどうなっちゃうんでしょうね。

[発熱]

山奥、涼しい休憩スペースでのSM961温度。

950 PRO。アイドル時点で既に差がついている


 NVMe SSDといえば爆熱というイメージが一般的です。
先代?のSM951や950 PROは実に熱く、発熱が増えると
サーマルスロットリングを起こして性能が落ちることで有名です。

 ではSM961はどうなのか?性能のわりには低発熱です。
詳しい比較グラフはそのうち載せようと思いますが、
950 PROと比べるとベンチ前後での温度上昇がゆるやか。
上昇度合いが950 PRO1/2程度のケースもありました。
つまり高速・(比較的)低発熱と、冗談みたいなSSDなワケです。

 特に高発熱に悩まされてきた、NUC6i7KYKユーザーにはうってつけでしょう。

[どこで買えるの?]


 いいことづくめ的な印象のあるSM961ですが、
ここで現状最大の欠点を挙げるとすると『ブツがない』致命的な欠点です。
もしかしたら、9月以降出てくるKaby Lake搭載ノートなどに
向けられてるのかもしれません。

 じゃあどこで買うか?
海外では6月頃から以下のルートで出回りはじめましたが、今でも入手できる数は
限られており、安いところは在庫なし、買えるところは高値安定というありさまです。

(海外)

Ramcity…オーストラリアの業者です。SM961は256~1TBまで扱っています。
最大の利点は価格。512GBは約2.7万、1TBも5万円台と、出始めとは思えない安さです。
ただし在庫はありません。2016年9月現在、再入荷予定は10月。
それもバックオーダーの数にはとても及びません。
筆者も当初注文していましたが、納期がズルズル延びるのでキャンセルしました。

・Paypalやebay…さすがに探すと出てきますが、値段は高め。どうしても欲しい方に。
相場はRamcityの倍程度と見ていいでしょう。

他にも扱っている業者は見つかると思いますが、筆者もちゃんと調べてないのでパス。

(国内)

 まだ代理店扱いのブツは出てきていません。…多分。
その代わり、Amazonのマーケットプレイスで時々売られています。
値段は256GBで2万円~、512GBで3万円前半~と幅があります。
というか、コロコロ変わります。

[その他]

 SM961は組み込み向けモデルのため、以下のような問題点(?)があります。
別に使えないわけじゃないのですが、一応アタマに入れておいた方がいいでしょう。

・Samsung Magician(サムスンのSSD管理ツール)が使えない。
・ファームウェアの更新手段がない。

 前者はTRIMの手動実行、予備領域の設定、ファームウェアのチェックなどができる
ツールに非対応ってことです。 
またSSDの場合、後者によって性能向上することもしばしばですが
組み込み向けモデルはそういうことがなかなかできません。
まあ速いからいいんだけど。

[結論…買いか?]


 性能的には間違いなくマストバイ。
ただし、今すぐ欲しいとかでなければ待った方がいいでしょう。
950 PROのようなリテール向けモデルが出てくる事も十分考えられます。

 とにかく今思うことは、潤沢に出てきてくれ…ということだけであります。



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